楽器が仕上がると、機会がある限り色々な人に弾いてもらって意見を聞き、次に向かってフィードバックができるよう心がけています。
楽器を作るという作業はひとりでとことんまで突き詰められるので、自分の目がつい内へ内へと籠りがちで、時々外の風を入れてリフレッシュすることも大事と思っているからです。
ただ、仕上がった楽器に対する自分の最初の印象が根本的に変わることはなくて、ここがもうひとつだな、と思うものはどれだけ褒められてもその印象は残るし、逆にいい手応えの楽器は弾き手が感じる問題点を指摘してくれれば、それはそれとしてフィードバックするけれど、極端にへこむようなことはない。
自分の中に評価の基準となる、こういう楽器を作りたい、というものが具体的にあるからだと思います。それは楽器作りとして貴重な財産だとも思います。
サヴィーニも楽器ができると、「満足して、反省して。それを同時にやって、前へ進め」と言っていた。
最近なんとなく、その意味が体でわかってきたかな、という気がしています。
新作楽器の写真はWorksに掲載しています。